2025.8.13
光と影が奏でる心地よい空間
島根県松江市の住宅地にて、外構工事を施工させていただきました。
今回ご紹介するのは、昼と夜、それぞれの時間帯で異なる表情を見せる外構デザインです。
建物の外壁に木の影が写る事を意識した植栽の枝葉がつくるやわらかな影。
日中は青空とともに爽やかに、夜はライトアップによって幻想的に
光と影が織りなす情景が、訪れる人を迎え入れます。
アプローチは、直線的でありながらも変化をつけた素材構成が特徴です。
洗い出し仕上げと自然石を組み合わせ、
足元から質感を感じられるようデザインです。
門塀には重厚感のあるグレー系タイルを使い、
木目の千本格子が緩やかに目隠しをします。
玄関へと続く動線は、
シンプルでありながら計算された配置によって、視線と足を導きます。
植栽には、スラリとした幹が美しいアオダモを選びました。
建物の縦のラインを引き立たせると同時に、
やさしい緑の表情が外観に柔らかさを添えています。
根元には割栗石を敷き詰め、景観性と機能性を両立しています。
駐車スペースはスリット目地によって単調さを避け、シャープで洗練された印象を与えています。
隣接するカーポートはブラックフレームに木目のアクセントが付いた商品を選び、
全体の色彩バランスを引き締めました。
建物の木目や外壁色との相性も良く、統一感あるファサードを形成しています。
昼間は太陽光が枝葉の影を壁面に映し、
夜は足元からのライトが葉の輪郭をくっきりと浮かび上がらせます。
その陰影は、まるで壁に描かれた一枚の絵画のようです。
この外構計画で特に意識したのは、「暮らしの中で移ろう時間を楽しむ」こと。
昼は植栽と素材の質感を、夜は光と影のコントラストを。
その時々の美しさが、日常に小さな感動をもたらします。
外構は、建物の印象を決定づける重要な要素であり、
同時に暮らしの快適さを支える存在です。
光と影、素材と植栽、そのバランスを丁寧に整えることで、
住まいは一層心地よい空間に生まれ変わります。